夢の中で食べ物を求める赤ちゃんの姿切なさと恐怖が胸を打つ一夢

夜更かししていると、突然目が覚めた。その瞬間、夢の中で見た光景が鮮明に頭の中に浮かび上がった。それは、まるで現実のようで、また同時に不気味な感じがした。

夢の中で私は街の端の狭い小道を歩いていた。道の両側には、高くて荒々しい壁が立ち並んでおり、その先には薄暗い街並みが広がっていた。突然、道の真ん中に赤ちゃんがいた。彼はとても小さく、弱々しい体つきで、まるで生まれたばかりのようだった。

赤ちゃんは私に向かって手を振りながら、小さな声で「おおきに、おおきに…」と何度も何度も言っていた。その言葉は切ないし、同時に恐ろしいほどに耳に心地悪かった。

「どうしたの」と私が問うと、赤ちゃんは目を上に向けて、小さな手を広げながら「食べ物、食べ物がほしいの！」と訴えた。その瞬間、私は心臓がドキドキと激しく跳ね上がった。

周囲を見渡すと、何もない。街の片隅には廃墟があり、遠くには食料を求めて人々が集まる市場が見えたが、その中には赤ちゃんの姿は見当たらなかった。

「食べ物がないんだ」と私は告げると、赤ちゃんの顔には絶望的な表情が浮かんだ。その時、私はどうすればいいのかわからなくなり、ただただその赤ちゃんの傍に座り込んだ。

赤ちゃんは私の膝に寄り添い、小さな手を私の手に握りしめた。その手が冷たく、まるで死んだように冷たく感じられた。私は赤ちゃんの顔を見つめて、涙がこぼれ出てきた。

「どうすればいいの、どうすればいいの」と私は何度も何度も考え続けたが、答えを見つけることはできなかった。夢の中の時間は流れ続け、赤ちゃんも私もどちらも食べ物を手に入れることができず、ただただ無力に耐え続けた。

最後に、赤ちゃんは私の膝から離れ、小さな声で「おねがい、おねがい…」と何度も何度も訴えた。その言葉が耳に響き渡ると、私は意識を失い、現実世界に戻るのだった。

その夢から醒めた私は、胸が詰まったように感じられた。夢の中で見た赤ちゃんの無力さと切なさが、現実世界でもどこかに存在しているのではないかと感じた。食べ物を求める赤ちゃんの姿は、私たちが忘れてはならない貧困や困難の象徴であり、私たちが真剣に取り組むべき課題なのだと考えた。