いやなんだか気持ち悪い夢だったな

と、目を覚ましたばかりの私の声が静かな部屋の中で響いた。冷たい汗が背中を濡らし、夢の中で経験した恐怖がまだ消えずに残っていた。

夢の中で私はエレベーターに乗っていた。それは普通の日曜日の午後のことだった。家族と一緒にショッピングをしにエレベーターに乗り込んだのだが、その瞬間から異変が始まった。

エレベーターの扉が閉まると、突然、目の前に男が現れた。その男は不気味な笑顔を浮かべて、私に声をかけた。「おい、君、面白い夢をしてみない」と。

「えなにが面白いの」と驚きながらも、私の言葉が男に聞こえなかったかのようだった。男はまた笑いながら、エレベーターのボタンを押し始めた。

「ねえ、君、ボタンを押すのって面白いの」

「面白くない……！」と答える私の言葉も、男に無視された。彼はどのボタンを押しても、エレベーターはそのまま動かない。まるで何かの仕掛けがあるかのようだった。

「面白いよね、君。エレベーターのボタンを押すって。まるで不思議な世界に飛び込けるかのようだよね。」

男の言葉に私も少し興味を引かれた。しかし、その興味は恐怖に変わるのが早かった。男がさらにボタンを押し始めると、エレベーターの内壁に不気味な絵が現れた。それはまるで悪魔のような姿をしたものだった。

「どうだ、面白いでしょこれも面白い夢の一部だって！」

男はその絵を見せながら、さらにボタンを押し続けた。すると、エレベーターの扉が開き、私の前に大きな窓が広がった。窓の外には霧に包まれた街が見えた。

「これが不思議な世界だ。君も一緒に飛び込んでみない」

しかし、私には恐怖が渦巻いていた。この夢はどれだけ長く続くのだろうか。そして、この恐怖はいつか現実になるのかもしれない。

「もうやめて、怖い……！」と叫んだ私の声が、夢の中で響き渡った。しかし、男はその声も無視し、さらにボタンを押し続けた。

最後には、私の周りに不気味な音が響き渡り、恐怖が極限に達した。夢の中で私は叫びながら、目を覚ました。

「いや、なんだか気持ち悪い夢だったな……。」

と、再び冷たい汗が背中を濡らした。夢の中で経験した恐怖が消えずに残り、私の心をしばらく悩ませた。しかし、朝が来るにつれて、その恐怖は次第に薄れていった。

「また夢か……。」

そう思いつつも、私の心にはエレベーターの夢が深く刻まれた。それは単なる夢ではなかった。私の心の中で、恐怖がまた訪れる日が来るかもしれないという不安が生まれたのだ。