夢の中の樹と許される時間
夜空に浮かぶ満月の光が、静かに部屋の中を照らし出す。夢の中へと引き込まれる瞬間、私は自分が深い森の中にいたことに気づく。周囲には、壮大な木々が立ち並び、その葉が風に揺れ動く音が耳に心地よく響く。
この森の中で、ある大きな樹の前に立っていると、突然、その樹が話し始めた。まるで生きているかのように、樹は私に語りかけた。
「こんにちは、あなた。この森の中であなたを待っていたんだよ。あなたの心がここに来るべき時が来たんだ。」
驚きと同時に、何か深い共感を感じる。私の心には、何か重いものが積もっているようだ。樹はその重みを軽くし、心に許される時間を約束する。
「あなたの心の中には、まだ許せないことがあるんだろう。でも、それはもう過去のことだ。あなたはもうそのことを忘れる必要はない。忘れようとするのではなく、受け入れることが大切だ。」
樹の言葉に胸が温かくなる。そして、私の心の中で何かが解き放たれるような感覚が生まれる。
「あなたの心には、まだ未解決の問題がたくさんある。でも、それを解決するのはあなた自身の力だ。あなたの心がその力を取り戻すための旅を始めるんだ。」
その旅の様子を想像するだけで、胸が躍る。樹は私に一つの道具を手渡す。それは、小さな石のようで、指に収まる大きさだった。
「これを使って、あなたの心の中で許すことができる場所を見つけてくれ。その場所に足を踏み入れると、あなたの心が解放されるんだ。」
その言葉に従い、私は石を手にして森の中を歩き始める。樹の指示に従って、私は自分の心の中を探る。そして、ある場所で足を止める。
そこは、私の心の中で最も深い傷が治った場所だった。樹の言葉通り、その場所に足を踏み入れると、心の中で重い荷物が軽くなるように感じる。
「あなたはもう許すことができるんだ。あなたの心が解放されたんだ。これからは、あなたの心が自由に行ける場所があるんだ。」
夢の中の樹はその言葉で私を送り出す。目を覚ますと、部屋の中が暗闇に包まれていた。しかし、心の中には明るい光が満ち溢れていた。
夢の中の樹と許される時間、それは私にとって大きな啓示となった。心の中の重い荷物を解放し、自分自身を許すことの大切さを学んだのだ。それから、私の心は自由に輝くようになった。