夢で表弟が墓参りに誘う不可解な幽霊の訴え
夜は更けて、静かな街並みが眠りに落ちていった。私は眠りに落ちようとするが、なぜか眠れずにいた。目を覚ますと、部屋は薄暗く、壁にはかすかな光が差していた。その光に目を向けると、部屋の隅に座っている人影が見えた。
「表弟……」と声をかけると、人影は振り返り、私に微笑んだ。「お兄ちゃん、もう少しで来てくれたのにね。」
私は驚いて立ち上がり、周囲を見回した。「表弟どうしてここにいるの」
「お兄ちゃん、もう少しで来てくれたのにね。墓参りに行こうか」と表弟は優しく言った。
私は混乱してしまい、なんとも言いようのない不安を感じた。「墓参り今の時間帯で」
「お兄ちゃん、夢の中だから大丈夫だよ。一緒に行こうね。」と表弟は強引に私の手を引こうと試みたが、私は手を離さなかった。
「どうして私をここに連れて行くの」
「お兄ちゃん、僕が亡くなったんだ。墓参りに来てくれってね。」
私の心は冷たくならした。表弟が亡くなったということは、私は夢の中で彼の霊を見ていることになる。しかし、なぜ彼が私に墓参りに行くよう求めているのか、私には解れなかった。
「でも、どうして私に連れて行くの他に墓参りに行く人いるの」
「お兄ちゃん、僕の家族はみんな忙しいから。だから、お兄ちゃんが来てくれってね。」
私は涙がこぼれそうになり、心の中で叫んだ。「どうしてこんなことになるんだ……」
表弟は私の手を引いて、部屋を出た。外の夜空は明るく、雲が流れていた。私たちが通る道は静かで、風が木々をなでる音が聞こえた。
「お兄ちゃん、僕が亡くなったのは、まだ若かったからね。でも、お兄ちゃんが僕のことを忘れないでいてくれたら、僕も安心できるんだ。」
私は表弟の言葉に涙を流し、彼の手をしっかりと握った。「もちろん、僕はあなたのことをずっと覚えているよ。」
私たちが墓前にたどり着くと、霧が漂ってきて、空が見えにくくなった。墓は静かに立っており、周囲には暗闇が広がっていた。
「お兄ちゃん、これから僕の墓に花を供えるからね。」
私は表弟の話に従い、花を墓の前に供えた。すると、突然霧が消え、空が明るく見えた。表弟は微笑みながら私を見つめて、次のように言った。
「お兄ちゃん、ありがとう。これからも僕のことを心に留めていてくれ。」
私は頷き、表弟の言葉に涙を流した。その瞬間、私の心に何かが固まった。表弟の霊が私に伝えたのは、彼が私にとって大切な存在であり、その思いを忘れないでほしいという訴えだった。
夢の中で見た表弟の姿が、私の心に深く刻まれた。彼が亡くなったことを知らなかった私は、彼の存在を忘れがちだったが、この夢を通じて、私たちの絆が再び繋がったことを実感した。表弟の霊が私に伝えたのは、愛と感謝の言葉であり、それは私が一生守るべき大切なものだった。