夜更かしでテレビを見ていると突然の睡魔に襲われ夢の中へと飛び込むその夢は久しぶりに会う親族との再会だった
夢の中の私は、幼い頃の自宅の庭に立っていた。そこには、祖母の家があった。祖母は、私にとって特別な存在で、私が小さかった頃は、祖母の膝の上で話し合い、色々な話を聞いていた。
しかし、夢の中の祖母はまるで別人のような姿で現れた。彼女の顔は白黒で、かすかに見える髪の毛も白く、まるで写真の中の肖像画のように静かで、かえって不気味な雰囲気を持っていた。
「おじいちゃんも、おばあちゃんも、白黒で見えるんだ……。」と祖母は優しく私に語りかけた。私は驚きと困惑で言葉を失ったが、祖母は続けて言った。
「この夢は、あなたの心の中に眠る思い出を告げているんだよ。私たちの姿が白黒で見えるのは、あなたが私たちのことを忘れていないからだ。あなたの中には、大切な思い出がたくさんあるのに、それを取り戻す方法を見つけていないんだ。」
私の心に染み入る言葉に、突然の涙が流れ出た。祖母の言葉は、私が幼い頃の記憶を呼び起こした。祖母の家で過ごした日々、祖母とおじいちゃんの笑顔、家族の団欒の光景が次々と蘇った。
夢の中で私たちは、祖母の家で食事を共にした。祖母は、いつもと変わらない味の料理を振る舞い、私たちと楽しい会話をした。しかし、私たちの笑顔はまるで白黒の写真のように、静かで切ない感じが漂っていた。
夢が終わり、現実に目を覚ますと、胸が痛かった。夢の中で私たちの家族が白黒で見える理由が、私の中に深く刻まれた。それは、私たちの家族の思い出を大切にし、忘れないようにするためのサインだったのだ。
その後、私たちは何度か夢の中で再会を果たした。祖母の言葉が私の心に響き、家族の思い出を大切にするようになった。そして、私たちは白黒で見える家族の姿を、心の中で色づけていくようになった。
夢の中で親族が白黒に見えるという奇異な出来事は、私にとって忘れられない思い出となった。それは、私たちの家族の絆を再確認し、大切な思い出を取り戻すきっかけとなったからだ。