悪夢の現実 昔の友達の死に見た恐怖
深い眠りから目を覚ました私は、冷たい汗に覆われた身体で震えていた。今までにない強烈な恐怖が胸を压し、心臓が激しく鼓動していた。目の前に広がる部屋は、いつもと変わらない静かな夜の風景だったが、私はその風景の中で異常な現実を見ていた。
それは私の幼馴染、春馬の姿だった。彼は私たちの小学校の同級生であり、中学、高校と一緒に過ごした大切な友達だった。しかし、その春馬が今、血に染まった姿で地面に横たわっていた。
「春馬……どうして」と私は叫んだが、何の反応もなかった。彼は私の言葉に耳を貸さず、死にゆくように静かに息を引き取っていた。その瞬間、私は夢の中に入り込んだかのよう、恐怖が渦巻きながらも現実の世界に引き戻された。
目を覚ますと、部屋は暗闇に包まれていた。心臓が激しく打ち鳴らし、その拍子に胸が痛むのを感じた。深呼吸をしてみたが、それでも恐怖が消えなかった。
「春馬が……本当に殺されてしまったのか」と私は自問自答を繰り返した。しかし、どうしても信じられなかった。私たちの絆は深く、彼が何かの間違った行動をしたとは思えなかった。
翌日、私は学校に通った。春馬の席は空いていたが、クラスメイトの言葉から春馬が数日前に自殺したことが判明した。その知らせは、私の心を深く打ち砕いた。
春馬の葬儀には、多くの人が集まっていた。彼の家族や友人、クラスメイトが泣きながら彼の最期を送っていた。私は彼の墓前で深く膝をつき、心からの哀悼の言葉を捧げた。
しかし、その夜、私はまた同じ夢を見た。春馬が血に染まった姿で私に向かって来た。私は逃げ出そうと走ったが、夢の中の世界は現実以上に重く、逃げることはできない。
その夢は何度も繰り返された。私は恐怖に苛まれながらも、春馬のことを忘れることはできなかった。彼の笑顔、話す声、一緒に過ごした日々が、私の心に深く刻まれていた。
ある日、私は春馬の家族に会った。彼らは私に春馬の最期について詳しく話してくれた。春馬は、最近になって急に心の病を患い、その苦しみに耐えきれずに自殺に至ったのだという。
その言葉に、私は深く悔やみ、自分が春馬の最期をどのように支えていなかったかを考えた。もし私が少しでも気づいていたら、彼は違う選択をしたかもしれないと、私は思った。
春馬のことを思い出すたびに、私は心の中で彼に向けて祈りを捧げる。彼がどこかで安らかにしていることを願っている。そして、私自身も、大切な人々を大切にし、彼らの心に寄り添うことを心に留めている。
悪夢の中で見た春馬の死は、私にとって永遠の恐怖となった。しかし、それは私が大切な人々を守るための強い糧にもなった。春馬のことを忘れない、そして、彼の最期を忘れない。それは私にとっての大切な約束だ。