二年越しの片思い夢の中で再会した男

夜更けの静かな部屋で、私は目を覚ました。目の前に広がるのは、薄明の光に照らされた部屋の隅。しかし、私の心はまだ夢の中に留まっていた。その夢は、二年前の夏に恋した男の姿が、再び私の心に刻まれていた。

二年前、大学の図書館で初めてその男の存在に気づいた。彼はいつも同じ場所、同じ席に座って、静かに本を読んでいた。その男の存在は、私にとってはまるで日常の一部のように感じられたが、その奥深い魅力に惹かれ、心の中で片思いを始めた。

しかし、彼は私の感情に気づくこともなく、日々を送っていった。私は彼の笑顔や小さな仕草に夢中になり、自分がどうして彼に気づかれないのか、心の中で葛藤した。しかし、時間が経つにつれて、私の感情はより深まり、夢の中で彼と再会する日が待ち遠しくなった。

その夢は、まるで時間が流れていないかのように、二年前の夏の日に戻っていた。図書館の静かな空間で、私は彼の背後から見つめ、心臓がバクバクと跳ねるのを感じた。彼はいつも通りに本を読んでいたが、私の存在に気づくような仕草が見られなかった。

「どうして、あなたは私の存在に気づかないの」と、私は心の中で叫んだ。すると、彼の目が私の方に向かって来た。初めて、彼の目には私に対する感情が宿っていた。彼は緊張した表情で私を見つめ、やがて微笑んだ。

「あなたがいることに気づいていたんだよ。でも、自分の感情に自信がなかったから、言葉にできないままにしてたんだ」と、彼は低い声で語った。その言葉が私の心に染み入るうちに、私は夢の中の彼に抱きついた。

夢の中での再会は、私にとって大きな励ましとなった。二年間の片思いが、彼の心に少しでも届いていたことを願った。そして、夢の中でのその一瞬が、私の心に永遠に残る。

目を覚ますと、部屋はまたもや薄明の光に包まれていた。しかし、心の中は温かく、満足感に満ちていた。二年越しの片思いが、夢の中で実り、私の心に新しい希望をもたらしたのだ。